告白
こうして、山川と私の関係が始まった。
ある日の夜中突然携帯電話が鳴った。
山川からである。
山川は泣きながら電話をしてきた。
「10年前に会っているんだよ」としきりに訴えてくる。
「10年前、君の会社をリニューアルオープンさせるとき、お蕎麦・・・」
「柏原君のお父さん?」
私は思い出した。
そう山川と私は10年前会っていたのである。
私は山川の名前が変わっていたので気づかなかった。
山川は再婚をして柏原から山川へ名字が変わっていたのである。
「山川」と言う名前が奥さんの名前と知った私は、それから山川を下の名前で呼ぶようになった。